『歯の寿命』について
成人の歯は通常28本~32本ありますが、40歳代を境に減る傾向にあり、高齢になるにつれ抜けたりして徐々に減っていきます。現在の日本では、60歳代で20本近くまで減り、70歳になった時の平均本数は15本だと言われており、歯の半分以上が失われていることになります。
また、最近では歯にも寿命があると言われており、日本人の平均寿命は延びていますが、歯の寿命はそれに追いついておらず、高齢になってもおいしくご飯を食べるには、自身の歯をできるだけ長く丈夫に保つことが大切です。
このように、現実的に高齢になってもたくさんの歯が残っているという方はそれほど多くありませんし、性別や生えている場所によって歯の寿命に差はありますが、一般的に50~60年ほどであると言われています。
歯は前歯より奥歯の方が抜けやすく、最も長く存続する下あごの前歯でもだいたい70年前後で抜けてしまいます。実際は歯そのものに寿命がある訳ではありませんが、歯並びや生活習慣などさまざまな要因によって、高齢になると歯が抜けやすくなります。それを「歯の寿命」と呼んでいるのです。
歯が抜ける主な原因には、以下の要因が挙げられます。
・歯周病やむし歯
・噛み合わせによる歯への衝撃
・ストレスや生活習慣
歯の寿命を延ばすためには、これらに対する予防や改善をすることが一番の近道です。
いつまでも自身の歯でおいしく食事をし、生活するためには、定期的なむし歯や歯周病のケア、悪い噛み合わせの改善、食事や生活習慣の見直しが大切です。
■歯を失わないためのチェック項目
1.歯ぐきの状態を観察する
週に1回以上は、鏡で自分自身の歯ぐきの状態(色、腫れ、出血など)を観察する。
2.むし歯や歯周病の定期的なケア
むし歯や歯周病の予防には、プラーク(口腔内にある細菌の塊)の除去が必要です。
歯みがきは強く磨きすぎず、軽めに小刻みに動かすことが大切です。
また、ブラッシング後に、歯間ブラシやデンタルフロス、糸ようじなどで歯と歯の間の汚れもきれいにすると効果的です。その上、定期的に歯科検診で汚れやむし歯・歯周病のチェックとクリーニングを受けることでさらに予防効果が高まります。
3.噛み合わせの改善
噛み合わせが悪い、歯ぎしりや噛みしめ・食いしばりなどの誤った噛み癖がある場合は、歯科医師に相談し、噛み合わせを治療されることをおすすめします。歯の負担を減らし、負荷によって歯が割れたり欠けたりするのを防ぐことができます。
4.生活習慣の見直し
バランスの取れた食事をすることで、歯や歯ぐきを長く健康に保つことができます。また、タバコは歯周病を悪化・進行させてしまうため、禁煙される方がよいでしょう。